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すまいの快適さと省エネ性能レベル

2024.04.26

こんにちは。

今年の桜は開花が遅れましたね。
お花見に入学式や入社式などのイベントごとも多く、あっという間にGWに突入してしまったという方もおられるのではないでしょうか。

さて、今月も省エネ関係のお話をさせていただきます。
前々回は「省エネ性能表示制度」、前回は省エネにとって大切な考え方である「パッシブデザイン」のご紹介とともに、「窓」の大切さについてもお話しさせていただきました。

では、実際にどの程度の性能を満たす住宅が適正なのでしょうか。
省エネ性能を表す指標もたくさん登場している中で、何がなにやらさっぱり、というお声もよくお聞きいたしますので、今回は、「すまいの快適さと省エネ性能レベル」と題して省エネ性能の高い住まいがどのくらい快適になるのかを、具体的な数字を元に見ていきたいと思います。

下の表は、人がいる場所をいる時間だけ暖房した場合のシュミレーションになります。

断熱レベルごとの室温
※本州までの日本人の一般的な居住形態である間歇暖房(居る部屋を居る時間だけ暖房)でのシミュレーション

左の欄「断熱レベル」で『古い家』ですと、寝る前に暖房を消した場合の朝方の室温は「外気温+3℃」とほとんど外気と同じ程度です。
一般的に、室温15℃未満になると「健康リスクが顕著に現れる」とされていますので、お客様に満足していただけるレベルは「省エネ基準の1.6倍以上」と判断できるのですね。
「省エネ基準の1.6倍以上」に相当するのが「HEAT20 G1」になります。

ちなみに「省エネ基準」というのは断熱等級4相当で、つい10年前は高性能で通っていたものです。
それが実際には快適なレベルには達していないのですね。

現状の性能レベルからとらえてゆくと、数年経つとまた次の基準が出てきて…と振り回されかねないわけですが、一番たいせつにすべき『すまいの快適さ』から、省エネ性能のレベルを決めていくのも一つの観点として、参考にしていただければと思います。

省エネ性能は立地や日当たり、暮らし方によっても異なります。
ご不明点やお困りごとなどございましたら、お気軽にご相談いただければと思います。

この記事を書いた人
古谷 一彦(ふるや かずひこ)
企画・営業

二級建築士